住宅のタイプ分け

ハウスメーカーvs工務店 本当の違いと選び方を徹底解説!あなたはどっち派?

  • そもそもハウスメーカーと工務店の違いってなに?
  • 結局のところどっちで建てるのがいいの?
  • 価格は?性能は?デザインは?自分たちにはどっちが合っている?

 

注文建築で家を建てたい!

でも、「ハウスメーカー」と「工務店」どっちが良いの?そもそも違いって?正直よくわからないですよね。

一世一代の大きな計画、絶対に失敗はできません。

でも、ご安心ください。

ここでは、現役バリバリのハウスメーカーの社員が、ハウスメーカーと工務店の違いを、業界の裏側までまとめて徹底解説します。

これを読めば、あなたにとってのベストな選択肢が必ず見つかります!

ハウスメーカーと工務店って、そもそも何が違うの?

まずは、ハウスメーカーと工務店の大まかな特徴、違いを見ていきましょう。

ハウスメーカーの特徴

  • 日本全国にエリア展開しているような、いわゆる大手企業
  • 年間の着工棟数は年間で数百棟〜数千棟、最大手だと軽く1万棟以上となる
  • 基本的には間取りや設備、インテリアは自由にできる注文建築
  • しかしながら、使用する建築部材や設計ルールに一定の制約を設けており、規格化しているところが特徴

 

工務店の特徴

  • 地元・地域密着型で特定のエリアでのみ展開をしている会社が多く、規模も中小のところがほとんど
  • 多くは年間で数棟〜数十棟の施工実績
  • ハウスメーカーとは違って建築部材を規格化していないため、設計やデザインの自由度がかなり高い
  • それぞれの工務店ごとに、その特徴や得意分野が違う

 

一番気になる!ハウスメーカーと工務店の坪単価は?

みなさんが最初に気になるところでしょう。

  • おおよその坪単価は?
  • そもそも坪単価ってなんで違うの?

それぞれの坪単価は?

おおよその坪単価は以下の通り。

【ハウスメーカー:60〜90万円/坪】

【工務店:40〜70万円/坪】

私自身ハウスメーカーの現役社員ですので、自社はもちろん、他社の実際の見積もりは立場上たくさん手に入ります。

平均だけでいえば、間違いなく工務店の方が価格を抑えやすいです。

とにかく安く建てたいなら、絶対に工務店が良いです。

しかしながら、ハウスメーカー・工務店、どちらも実際には坪単価にかなりの幅があります。

ハウスメーカーですと、タマホームやアイダ設計などいわゆるローコストメーカーですと60万円/坪から十分に建築可能ですし、積水ハウスや住友林業などの大手メーカーでは90万円/坪することもあります。

工務店でも価格差はかなりあります。前述の通り工務店はその特徴が多岐にわたるため、工務店によってはハウスメーカーよりも高くなることも十分にあります。

 

また、ハウスメーカーは設計や見積もりがシステム化されていることが多く、見積もりの内応などはかなり明瞭です。

工務店は、会社によって見積もりの作り方が様々なため、めちゃくちゃざっくりなんていう見積もりもあります。できれば細かい明細書を出してもらうようにしましょう。

そもそも坪単価ってなんで違うの?

お客様からよく頂くご質問です。

その原因は細かいところを含めると本当にたくさんありますが・・・

大前提として「同じハウスメーカー同士で価格を比べた場合」「工務店同士で価格を比べた場合」に限りますが、その価格差の理由は、「住宅としての品質の違い」がほとんどです。

(※ハウスメーカーと工務店の価格差の理由はちゃんと後述します!)

要は、「どれだけ災害に災害に強いか」「どれだけ快適に過ごせるか」「どれだけ長持ちするか」「どれだけ健康的に過ごせるか」といった家のスペックの違いです。

例えば同じ木造住宅でも、木の柱1本の価格はその品質によって全然違い、大きければ10倍くらいの価格差も出ることもあります。

柱の品質が変われば、家のスペックは当然変わります。少し乱暴な言い方になりますが、高いは高いなりですし、安いは安いなりです。

もちろん、全てが品質の差だとは言いませんが、逆に言えば「企業努力」や「創意工夫」だけで1棟につき1000万円以上の差をつけるのは不可能です。価格もとても大切な検討要素ですが、その理由をしっかりと理解するようにし、納得できるようにしましょう。

 

ただし、ハウスメーカーと工務店を比べた場合、価格差の理由は必ずしも品質の違いだけではありません。

続いて、ハウスメーカーと工務店の違いをもっと細かく見ていきながら、同時に価格差の理由も紐解いていきましょう。

ハウスメーカーと工務店、その住宅性能の違いは?

前述のように、ハウスメーカー同士、工務店同士でも価格差、性能差がかなり大きくありますが、ここで比べるのは「ハウスメーカーvs工務店」です。

  • 最新の研究・開発・実験
  • 住宅品質の安定性

最新の研究・開発・実験

「最新の技術」という違いでいえば、さすがにハウスメーカーに分があります。

前述の通り、ハウスメーカー=大手企業ですから、研究開発資金は雲泥の差です。というか、工務店は研究・開発・実験などほとんどしないです。

例えば、「何億円もかけて、実際に家を建てて巨大な地震実験施設で建物を揺らしてみる」なんて、大手企業でしかできないですよね。

最先端の技術は常にハウスメーカーが持っています。

もちろん、どのハウスメーカーも工務店に勝る、などと寝ぼけたことを言うつもりはありません。本当に立派な品質の工務店もたくさんあります。しかしながら、平均的に価格が工務店の方が安いのと同じように、平均的にはハウスメーカーの方が性能は高いと言えるでしょう。

 

逆に言えば、その研究開発資金は、全て住宅の価格に反映されます。某大手ハウスメーカーで試算すると、年間の研究開発費が約3億円、1年間の着工棟数が8000棟ほどですから、単純計算では1棟あたり約40万円ほどの価格転嫁となります。これを最新技術代として高いととるか安いととるかは、お客様次第ですね。

住宅品質の安定性

これがハウスメーカーの最大の特徴の一つです。

ざっくりいうと、つも同じ建築部材を使って、同じ職人が、同じ方法で施工しているので、品質がとても安定するんです。

前述の通り、ハウスメーカーは、使用する建築部材や設計ルールに一定の制約を設けており、そのほとんどを規格化しています。

特に、基礎や骨組みなどの構造上重要な部分は、かなり厳密に設計・施工ルールが決められており、そのチェック体制も万全です。

だから、住まいの品質が職人の腕に左右される、なんてことはあまりありません。システム化されているため工期も短く一定で、予定から遅れることはほとんどありません。

一方で、工務店では設計やデザインの自由度が高い分、その品質のばらつきが大きくなりやすく、工期も比較的長いことが多いです。

もちろんですが、腕の良い職人さんは工務店にも本当にたくさんいます。伝えたいことは、職人の腕が良いか悪いかではなく、職人の腕に左右されるかどうか、ということです。

 

また、ハウスメーカーが同じ部材を使用することのメリットが、価格面でもあります。

年間数千棟分、同じような建築部材を作成、購入するわけですから、当然ながらスケールメリットがあり、材料費をより安くすることができます。また、品質が安定しやすい分、ミスや手直しが少なくなるので、その面でも企業としては費用を抑えることができます。

こうして浮いたお金を、研究開発費用に回している、というのが実態ですね。

ハウスメーカーの設計自由度はどれくらい?やっぱり高い工務店の自由度

間取りやデザインは工務店の方が圧倒的に自由度が高いと言われていますが、半分正解で半分間違い。もう少し正確に解説しますね。

  • 構造部材や間取りに関わるところ
  • 設備やインテリアに関わるところ
  • ノウハウ

構造部材や間取りに関わるところ

くどいようですが、ハウスメーカーは仕様や部材がある程度規格化されていますから、自由度は制限されてしまいます。

構造部材に関わるところ(基礎や骨組み、断熱材等、住まいの性能に直結するようなところ)は、国からの認定の関係もあり、自由に選ぶことはできません。

例えば、木造メーカーに鉄骨で作ってもらうことは不可能です。柱の規格も定められていますから、「あと5㎝だけ天井高くしたい」とかも無理です。

ハウスメーカーも「自由設計」を謳っていますが、あくまで限られた自由です。

ですが、工務店はこの辺りはなんでも出来ます。やろうと思えば、違法でさえなければ、本当になんでもできます。1階は鉄骨で2階は木造、なんてこともできます。天井あと1㎝高くしたい、できます。すごい。

設備やインテリアに関わるところ

一方、構造体に関わらないキッチンやユニットバスなどの住宅設備・建具等のインテリア部材に関しては、ハウスメーカーはやろうと思えば何でもできます。キッチンメーカーから買ってくればいいわけですから、簡単です。

ですが、ハウスメーカーが用意しているラインナップ以外のものを採用しようとすると、途端に金額が跳ね上がります。ここが注意点。

例えば、とあるハウスメーカーではキッチンはLIXILとTOTOを仕様規格化しているのに、クリナップのキッチンを使いたいとなると、同じようなグレードのキッチンなのに金額は2倍近くに跳ね上がります。恐ろしい。

なぜこういうことが起きるか。

実は、ハウスメーカーは住宅設備やインテリア部材のラインナップを制限することで、大量発注し、コストダウンしてメーカーから仕入れています。だから、世間の定価の半額以下で結構良いグレードのものが付けられます。

ですが、そのラインナップから外れた途端、普段取引していない物を買うことになるために、金額が極端に上がってしまうというわけなんです。これは、扉ひとつ、収納ひとつ、内装仕上げ材ひとつとっても、全部同じことが言えます。

ですから、よく「ハウスメーカーは自由度が低い。工務店は自由度が高い」なんて言われますが、こと内装設備に関していえばそれは間違いです。

正確には、「ハウスメーカーは、ラインナップから選べば安いけどラインナップ以外だと極端に高い。工務店はなんでもそれなりの金額で選べる」です。

ノウハウ

これまでお話ししたように、工務店はやろうと思えばなんでもできます。自由度は本当に高い。

ただ実際には、工務店ごとにより得意な設計パターンやデザインがあります。工務店のホームページで実際の施工例などご覧頂くとよくわかりますが、なんとなく、デザインが似ていたりしますよね。

例えば、和風の日本家屋のようなデザインが得意な工務店に、ヨーロッパのお城みたいな内装にして、なんて言ってもあんまり良いを提案してくれません。だって、やったことほとんどないから。

設計のパターンなんかも同じようなことが言えて、提案の幅はその工務店の得意パターンにある程度限定されます。

要は、ノウハウがなければ、自由度が高くてもその意味は半減しちゃいます。

なので、工務店選びで大切なことは、自分のやりたい間取りやデザインが得意そうなところをちゃんと選ぶ、ということです。

そのためには、実際の施工例をできるだけたくさん見て、たくさん話を聞いて、提案のレベルや方向性が自分のやりたいこととしっかり合っているかを確認してください。これはめちゃくちゃ大事です。

 

一方ハウスメーカーは、抱えている設計やインテリアアドバイザーの人数が多く、年間の施工実績も多数のため、結構幅広い提案が可能です。担当個人が不得意でも、得意な担当が周りに必ずいるんですね。

だから、ノウハウという意味ではハウスメーカーの方が実は良かったりします。自由にやったら金額は上がりますけどね。

ハウスメーカーと工務店 アフターサービスや保証の違いは?

これは、正直言ってここはハウスメーカーに分があります。

  • アフターサービスについて
  • 保証について

アフターサービスについて

一部メーカーを除きほとんどのハウスメーカーにはアフターサービス専門の部署があります。程度の差こそあれ、定期点検をちゃんとやってくれたり、オーナー専用のコールセンターがあったりします。

あるハウスメーカーでは、60年間の無料で定期点検をしてくれて、24時間365日受付のコールセンターがあったりします。

ですが、工務店となると全てがこうとはいきません。アフターサービス専門の部署とかはなく、新築の担当がそのままアフターも担当するという感じです。

地域密着型の工務店が多いので、とても親身に対応してくれるかもしれません。しかしながらアフターサービスを専門に行っている訳でなければ、やはり対応は後回しになる可能性はあります。それもこれも、全て工務店の担当個人に完全に委ねられますので、正直当たり外れもあります。

また、工務店は比較的中小規模のところが多いために、何十年も先まで会社が残っているか、という問題もあります。

私のお客様でも、「先代が建てた家で、当時は棟梁がとてもよくしてくれたんだけど、もうその工務店自体がなくなっちゃって・・・」なんていう方、けっこういたりします。

 

少し視点を変えると、このアフターサービスの充実具合が、ハウスメーカーの価格が平均して高い理由にもなっています。アフター専門の部署があれば、それだけ固定費・人件費がかかりますから、当然ながら価格転嫁されています。

これを必要と思うか不必要と思うか・・・ご意見分かれるところかもしれませんね。

保証について

これも、やっぱりハウスメーカーに分があります。

先ほどお話しした通り、ハウスメーカーはいろんな実験をやっています。技術力もあります。技術と実証、これがあるのでハウスメーカーは保証期間を長く取れます。

大手ですと、構造体や防水に関しては30年間の保証付きなんてところもあります。

(ちなみに、ハウスメーカーの中でもローコストメーカーは保証が短いことが多いのでご注意を!)

工務店での保証は、主要な構造体や防水に関してほとんどの場合10年保証です。これは法で定められた最低限の内容です。

なので、10年ごとに壁の塗り替えや屋根の葺き替えなんかをやらなくてはいけないことも多いです。「何十年も平気だよ!」なんて言われても、保証がなければ怖いですからね。

ハウスメーカーと工務店、結局コスパが良いのはどっち?

ここまで、ハウスメーカーと工務店の違いを見ていきながら、併せて価格の違いの理由も見てきました。

  • 広告宣伝費をかけている分だけ、ハウスメーカーは高い?
  • コスパのまとめ

広告宣伝費をかけている分だけ、ハウスメーカーは高い?

広告宣伝費、これは、ハウスメーカーの方が圧倒的にお金をかけていますよね。年間で数十億円、大手なら100億円以上かけていますから、当然その分は価格に反映されてきます。どのサイトでも言われている事実ですね。

ただ、実際にはどの程度価格転嫁されているのでしょうか。ある大手ハウスメーカーを例に計算してみましょう。

ある大手ハウスメーカーの広告宣伝費は年間250億円(すごい)。で、年間約13000戸ほどの販売実績があります。

単純計算で、250億円÷13000戸=約200万円/戸の価格転嫁ってことですね。

これはなかなかの金額です。

ただ、年間13000戸というかなりの数を、しかもある程度規格化されたもので販売しているっていうことは、当然ながらスケールメリット、要は材料の単価かなり抑えることができます。

1000坪の広大な畑すべてで、ひたすらにキャベツだけを作っている場合のキャベツの値段と、10坪の小さな家庭菜園で、キャベツもトマトもじゃがいももほうれん草も作っている場合のキャベツの値段、どっちが安いと思いますか?

当然、前者ですよね。

先述のハウスメーカーの平均価格は約4000万円。広告宣伝費は200万円ですから、約5%分の価格転嫁です。この程度でしたらスケールメリットで十分に回収できる範囲だと思います。

なので、広告宣伝費をかけている分価格には反映されますが、この事実一つだけを取って、「だからハウスメーカーの方が高い!」というのは少し雑な理論だなと思います。

コスパのまとめ

コスパについてまとめましょう。

事実として、ハウスメーカーの方が価格そのものは平均的に高い。

その理由

  • 多額の広告宣伝費をかけている
  • 研究開発費にお金をかけている
  • アフターサービス専門の部署を配置している
  • 規格外のことが苦手で高額

ただ、そのおかげで

  • 年間販売戸数の多さ、仕様の規格化によってコストダウン
  • 最先端の技術
  • アフターサービスの充実

が実現されます。

なので、コスパを考えるには上記事実をどう受け取るかが全てです。

ハウスメーカーvs工務店 まとめ

ここまでハウスメーカーと工務店の違いを詳しくお伝えしてきましたが、まとめるとこんな感じです。

【ハウスメーカーおすすめの方】

  • 失敗したくないから、安定が一番
  • 多少高くても、アフターサービスや品質含めてそれは安心料
  • 自由設計はしたいけど、そこまでこだわりが強いわけじゃない
  • 強いこだわりがないからこそ、幅広く提案して欲しい

 

【工務店おすすめの方】

  • とにかく安く建築したい
  • せっかくの一戸建て、とことんこだわって建てたい
  • 地元の方々と密着したお付き合いをしていきたい

 

あなたはハウスメーカー派ですか?それとも工務店派ですか?

いずれにせよ、あなたの建築計画が最高のものとなりますように、心を込めて・・・