住宅のタイプ分け

木造vs鉄骨 あなたに合っているのはどっち?メリットデメリットを徹底解説!

  • 木造と鉄骨って、どっちがいいの?何が違うの?
  • 鉄骨の方が地震に強いっていうのは本当?
  • 木造の方が安いんでしょ?

注文建築を建てようと思ったとき、木造にするか鉄骨にするか、迷う人は多いはず。

でも、木造、鉄骨、それぞれなんとなくのイメージはあっても、何が違うのかは明確にはわからない。

いったい何が違うの?結局自分たちに合っているのはどっち?

それをひとつひとつ、紐解いてきましょう!

木造vs鉄骨 比べるポイント

この記事では、下記ポイントで木造と鉄骨の違いをまとめていこうと思います。

  • 「耐震性」・・・鉄骨の方が強いって本当?
  • 「断熱性」・・・木造の方が暖かそう
  • 「耐火性」・・・木造は火事に弱いでしょ!
  • 「耐久性」・・・鉄骨の方が耐用年数は長い?
  • 「プラン自由度」・・・木造の方が何でもできそう!
  • 「価格」・・・やっぱり鉄骨はお高いんでしょう?

木造・鉄骨それぞれによくある皆さんのイメージ、それが本当のことなのか、ひとつひとつ見ていきましょう。

木造vs鉄骨 耐震性の比較

鉄骨の方が地震に強い?

よくあるイメージ、「木造より鉄骨の方が地震に強いんでしょ?」

結論から言いますと、

木造と鉄骨の耐震性はほとんど変わりません。

まず、木の柱1本と鉄の柱1本、どっちが強いかというと、そりゃあ一般的には鉄の柱の方が強いです。(太さとか厚みによる!とかいう些細な議論は割愛します)

でも、1本の柱の強度が弱くても、数を増やせば同じ強度は出せます。

仮に、鉄の柱の強度が3、木の柱の強度が2だとしましょう。

鉄の柱を20本立てたら3×20本=60強度の鉄骨住宅

木の柱を30本立てたら2×30本=60強度の木造住宅

だから、「鉄骨だからうちは強いんです!」っていうのは少し乱暴な理屈ですね。

木造「だから」鉄骨「だから」はあまり関係なく、その工務店・ハウスメーカーがどういった家づくりをしているかが全てです。

ただし、例えば柱の本数が増えるということは、それだけプラン自由度を奪います。これは「プラン自由度」の比較項目でもう少し詳しく説明します。

違いはその強度の信頼性

このように、理屈でいえば木造も鉄骨も同じように地震に強くすることは可能です。ただ実は、その信頼性に、木造と鉄骨の大きな差が出ることがあります。

構造計算しているかどうか

その信頼性の違い、最も大きな要因が

「構造計算」をしているかしていないか

です。

構造計算とは、ざっくりというと、

  • 建物の重さ(建物本体・積載物・積雪等)の計算
  • 地震や台風が来た時の計算
  • そのそれぞれの時に、建物の部材や地盤が耐えられるか、どれくらい変形するか、バランスは大丈夫か、などを計算

こんな感じです。

要は、構造計算している家、というのはめっちゃ専門的な計算をしっかりやって建てている家ということです。

ところが、建築基準法という法律では、ある程度の大きさまでは2階建ての木造住宅は構造計算してくても良い、という特例があります。

これって、何気にすごいことですよね。

構造計算にはお金がかかります。大体いろいろコミコミで50100万円くらい。

義務ではないものにわざわざお金も労力もかけませんので、ほとんどの木造住宅2階建ては構造計算をせずに、もっと簡単な「壁量計算」という簡易計算で済ませています。

他方、鉄骨住宅は2階建てでも構造計算が義務なので必ずやっています。

構造計算をやっていない(可能性が高い)木造住宅と、構造計算をしている鉄骨住宅では、その信頼性に差があるのは当然なことです。

逆にいえば、木造住宅でも構造計算をしていれば一定の信頼性があるといえますので、耐震性の確実性を上げるためには構造計算することをお勧めします。

素材の性質の違い

信頼性の違いとして、素材そのものの信頼性の違いがあります。

例えば、「同じ太さ・長さの木の柱」でも、品質にとてもばらつきがあります。木の種類によっても全然強度は違いますし、同じ種類の木でもたくさんの等級があって、品質はバラバラです。もちろん、ある程度品質を揃えて材料を選ぶものですが、逆にいえば全く同じ強度だと証明できる材料をすべて揃えるのはなかなか困難です。

さらには、木は当然生き物ですので、経年変化による劣化具合はなかなか計算することはできません。

このように、とても不確定要素が多いのが木造のデメリットといえます。

逆に、鉄骨は、同じ素材・同じ太さ・同じ肉厚で柱を作ればほぼ同じ強度がでます。経年劣化もある程度計算ができるものです。

あくまで比較ではありますが、耐震性への「信頼性」という部分では、鉄骨住宅の方が優れているといえるでしょう。

 

もっと地震について詳しく知りたい方はこちら!

地震に強い家を建てる!守るべき4つのポイントはこちら!

木造vs鉄骨 断熱性の比較

木造の方が断熱性能は良い?

皆さんがよく持たれているイメージですね。これは、半分正解で半分間違い。

実は、断熱方法によって木造・鉄骨が関係する場合と関係しない場合があるんです。

その断熱方法っていうのが「充填断熱」「外張り断熱」の違いです。(その他にも、細かく言うと「外断熱」とか「内断熱」とかありますが、木造、鉄骨住宅にはあまり関係がないのでここでは割愛しますね)

充填断熱と外張り断熱の違いはこのような感じです。

引用:モノタロウ

柱と柱の間、壁の中に断熱材を詰め込んでいるのが「充填断熱」、柱の外側に断熱材を持ってきているのが「外張り断熱」です。

木造の方が快適になる「充填断熱」

柱と柱の間に断熱材がある充填断熱工法、逆に言えば柱の外側(外壁側)には断熱材がありません。

断熱材があるところはいいのですが、断熱材がない柱のところは、柱を通して熱や冷気が伝わります。これを「ヒートブリッジ(熱橋)」といいます。

このように充填断熱の場合、木よりも鉄の方が熱や冷気を通しやすいですから、「鉄骨住宅より木造住宅の方が断熱性は高い」となります。

骨組みの影響はない 「外張り断熱」

一方、外張り断熱の場合は、柱が木か鉄かは関係ありません。だって、柱の「外側」で断熱しているので、柱は外気の影響を受けず、ヒートブリッジは起きないからです。

一昔前は充填断熱が当たり前だったので「木造の方が快適」といわれることが多かったようですが、今は「外張り断熱」の家もかなり増えてきています。

もしも鉄骨住宅を検討するのであれば「外張り断熱」かどうかを必ず確認しましょうね。

木造vs鉄骨 耐火性の比較

鉄骨の方が火事に強い?

何となく、木造の方が火事に弱いイメージを持つ人も多いと思いますが、結論、耐火性能に骨組みは関係ありません。

火災は、家の中から起こる火災と、外部からの延焼によっておこる火災がありますが、いずれのパターンでも、骨組みはほぼ関係がありません。

家の中からの失火の場合

家の中から起こる火災は、骨組みが木造だろうが鉄骨だろうが、骨組み以外に燃えるものは家の中にはたくさんありますから、燃えます。骨組みは関係ありません。

家の外からの延焼の場合

外部からの延焼に関しては、外から火を受けるわけですから、関係するのは「外壁材」です。外壁材によって火災に強いかどうかは大きな影響を受けますが、外壁の内側にある骨組みが木造か鉄骨かなどは、ほとんど関係ありません。

木造vs鉄骨 耐久性の違い

鉄骨の方が長持ちする?

これは、とてもデリケートなところですが、敢えて結論付けるとすると

「強いていえば、鉄骨の方が長持ちする」

でしょう。

そもそも、骨組みだけで耐久性は決まらない

まず、以下の表を見てみてください。

(引用:住宅リフォーム紛争処理センターより)

これは、家の不具合部位のランキングです。

どうでしょう。柱そのものの不具合って、木造で3.1%、鉄骨で1.5%、要はほとんどありません。それよりも、外壁や屋根、床といった構造部材の不具合が圧倒的に多いですよね。

木造だから、鉄骨だから、が建て替えの理由にはほぼなっていないということです。

最終的には、素材の違いとメンテナンス頻度

とはいえ、やっぱり木と鉄では素材の違いがあります。耐震性のところでもふれましたが、木は生き物で、かつ品質のばらつきがとても大きいものです。

材質により、また経年劣化により、木材がゆがんだりすることは高確率で起こることです。なので、「窓に隙間ができてきた」「扉がうまく閉まらない」となどという現象が起きるわけです。こういったことが家に対する不満や耐震性への不安につながり、建て替えをすること当然もあるでしょう。

ただし、木造、鉄骨の耐久性に関する統計データなどがあるわけではありませんので、「強いていえば」材質上リスクの少ない鉄骨の方が長持ちするだろうということです。

木造vs鉄骨 プラン自由度の比較

大空間・大開口などは鉄骨の方が自由

耐震性でもふれたように、一般的には鉄骨の方が柱の強度が強いので、柱の本数を少なくしても強い家が作れます。

鉄骨の方が必要な柱の本数が少ない分、大きな空間を作るとか、大きな窓をとる、とかがとてもやりやすく、自由度が高いです。

そして、リフォームも鉄骨の方が容易です。一般的に木造の方がリフォームしやすいと思われていますが、それは既存の柱や筋交いなど骨組みを壊したりなくしたり移動させたりする場合の話です。これは、そもそも既存の骨組みをいじっていいのか?それで強度や耐久性は大丈夫なのか?もっと言うと増改築って平気なのか?っていう議論になってきます(。これは根が深いのでここでは割愛します)

仮に既存の骨組みをいじらないことを前提にした場合、骨組みの数が少ない鉄骨の方がよりリフォームはしやすくなります。

天井高や細かい調整は木造の方が自由

一方、やはり木材は加工がしやすいのが特徴です。なので、「少し天井高をあげる」とか「少し柱の位置をずらす」とかは木造の方が融通がききます。

鉄骨は工場で生産し、現場では加工しませんしできません。細かい調整はやはり木造の方が自由です。

一つ注意点として、この木造の細かい「自由」は、工務店には当てはまりますが、ハウスメーカーのは当てはまりません。なぜなら、ハウスメーカーは木造であってもある程度骨組みを規格化して建築しているからです。物理的にできても、企業の体制として出来ないということです。

インテリアや内部造作と、骨組みの種類は関係ない

イメージとして、「木造住宅の方が木の温もりがある」とか「鉄骨の方がスタイリッシュだ」とかがあります。しかし、これは骨組みとは全く関係のない話です。

壁の内側の骨組みが木なのか鉄なのかは、壁の表面であるインテリアやデザインには影響ありませんよね。

なので、「和風なインテリアが好きだから木造にする」とか「モダンな家具に合うように鉄骨にする」とかは、絶対にしてはいけません。

木造vs鉄骨 価格の比較

これは、イメージ通り、基本的には木造の方が安いです。できるだけ価格を抑えたい場合には木造の方が良いでしょう。

ただ、もう少し正確にお伝えすると、木造は「安い」ではなく「安くもできる」です。安い木造住宅もあれば高い木造住宅もあり、鉄骨住宅は総じて価格帯が高目なだけです。

要は、木造はおおよそ坪単価4090万円とかなり幅がありますが、鉄骨はおおよそ坪単価7090万円ほどである程度価格帯が一定です。

必ずしも、「木造住宅=安い」ではないので注意しましょう。

木造vs鉄骨 まとめ

【耐震性】

木造も鉄骨も地震い強い家は作れる。

ただし、その信頼性はやや鉄骨に分がある

【断熱性】

充填断熱の場合は木造の方が断熱性は高い。

外張り断熱の場合は骨組みは関係ない

【耐火性】

骨組みは関係ない。大切なのは外壁材。

【耐久性】

骨組みはほぼ関係ない。

強いて言えば素材の違いから鉄骨の方がリスクは低い。

【プラン自由度】

大空間・大開口は柱の強度がより強い鉄骨の方が自由

天井高や細かい調整は加工がしやすい木造の方が自由

【価格】

基本的に木造の方が安い。

しかし、鉄骨より高い木造もあるので注意

 

いかがでしょうか?

イメージと実際が違うところもあったのではないでしょうか?

絶対的にどちらがいいというわけではなく、あなたが何を大切に思って家を建てるかで決まってくるものです。しっかり悩んで、後悔しない選択をしましょう!

あなたの建築計画が最高のものとなりますよう、心を込めて・・・