住宅ローン

住宅ローンの繰上げ返済 やらない方が得!?

  • 繰上げ返済は手数料とかかかるの?
  • やっぱり繰上げ返済はたくさんした方がいいんでしょ?
  • 得する繰上げ返済方法を知りたい!

 

住宅ローンの負担は誰だって出来るだけ減らしたいもの。

その中で出てくる選択肢が「繰上げ返済」

でも、その効果的な方法をわかっていない方も多いです。ここでは、より良い繰上げ返済の方法、そもそも繰上げ返済するべきか!?っていうところも含め、全てをお伝えします!

住宅ローンの繰上げ返済についての基本

まずは、繰上げ返済についての基本的なところをまとめておきましょう。

手数料

今のほとんどの金融機関は繰上げ返済の手数料は無料です。

心置きなく、繰上げ返済できますね。

最低金額

多くの金融機関は1万円〜となっていますが、1円からできるところもあります。(1円から繰り上げるか??)

まれに100万円〜の金融機関もあるので一応注意してください。

繰上げ返済方法

インターネットでの繰上げ返済が主流です。「インターネットなら1円〜、手数料無料でできます」なんていうところもあります。

もちろん、窓口でもできますが、できる方はネットの方が明らかに簡単で早いですよ。

効果の高い、住宅ローン繰上げ返済の2つの方法

どうせ繰り上げ返済するなら、より効果の高い方法でやりたいもの。ポイントは2つ。

  • 繰上げ返済のタイミング
  • 「期間短縮型」と「返済額軽減型」

繰上げ返済のタイミング

同じ額を繰上げ返済するにも、実は、そのタイミングによってかなり効果が変わってきます。

【当初3000万円ローン・35年返済・金利1%の方が300万円の繰上げ返済をする場合】

・10年後に繰上げ返済したケース→約77万円の返済額削減

・20年後に繰上げ返済したケース→約42万円の返済額削減

このように、タイミングが早ければ早いほど、繰上げ返済の効果は高いのです!

なぜこうなるか。

住宅ローンは毎月同じ金額を払う「元利均等返済」というものが一般的ですが、この方法では毎月同じ金額を払っていても返済時期によって元金(=借りたお金)と利息の割合が違い、返済当初はほとんどが金利で元金は全然払っていないことになっており、逆に返済後半は金利はほとんど払っていなくて元金がほとんどです。

月々10万円支払う方は、例えば、返済初期は10万円のうち金利9万円元金1万円、返済後期は10万円のうち金利1万円元金9万円と、内訳が変わります。

つまり、繰上げ返済(=元金を減らす)をすると、その元金にかかるはずだったたくさんの利息分が一緒に減ってくれるので、できるだけ早いタイミングで元金を減らしたほうが、たくさんの利息も減ってくれるということです。

期間短縮型と返済額軽減型

繰上げ返済をした場合、ほとんどのケースでは「期間短縮型」と「返済額軽減型」の選択ができます。

・期間短縮型

ローン返済の「年数」を短くする繰上げ返済方法です。月々の支払額はそのまま変わりません。

・返済額軽減型

「月々の返済額」を減らす繰上げ返済方法です。返済年数は変わりません。

それぞれいろんな使い分けができますが、効果の大きさだけでいうと「期間短縮型」の方がより効果が高いです。

【当初3000万円ローン・35年返済・金利1%の方が10年後に300万円の繰上げ返済をする場合】

・期間短縮型のケース→約77万円の返済額削減(3年8ヶ月の期間短縮)

・返済額軽減型のケース→約39万円の返済額削減(11306円/月の返済額減額)

このように、けっこうその効果が変わります。

これは、返済期間が長ければ長いほどその分利息も増えますから、返済「額」を減らすよりも返済「期間」を短くしたほうが、単純に利息がたくさん減ることになるからです。

実際には、個人のライフステージに合わせて選択すべきだとは思いますが、効果が高いのは「期間短縮型」ということは覚えておきましょう!

個別のシミュレーションをしたい方はこちら

繰上げ返済シミュレーション

住宅ローンの繰上げ返済をするべきではない3つの理由

「繰上げ返済はできるだけたくさんした方がいいんでしょ?」

よくお客様からお聞きするご質問です。

そもそも、繰上げ返済は本当にした方がいいんでしょうか?ここまで繰上げ返済のことをお伝えしておいてなんですが・・・

答えは、「繰上げ返済は別にしなくてもいい」です。

その理由

  • 住宅ローン減税の恩恵
  • 団体信用生命保険の存在
  • 長期投資に回す

住宅ローン減税の恩恵

住宅ローン減税とは、

  • 「住宅ローンを組んだ人が」
  • 「年末のローン残高の1%を上限に」
  • 「最大50万円/年」
  • 「10年間」
  • 「払った税金が戻ってくる」

例えば3000万円のローンを組んだら、なんと、最大30万円/年の減税が受けられるという、とてもすごい制度です。

住宅ローンを組む方のほとんどが、住宅ローン減税の制度を利用することと思います。

ここでのポイントが「ローン残高の1%を上限に」ということです。

例えば、年末の残高が3000万円ある方は最大30万円の減税を受けられます。

ですが、500万円の繰上げ返済をして残高が2500万円になった方は、減税が25万円となってしまいます。この差が10年続けば50万円の差です。

「ローンの金利分は損するじゃないか!」という声が聞こえてきそうですが、今の住宅ローンは1%以下のものが主流で、低いと0.4%ほどのものもあります。

0.4%の金利を払って1%の減税を受けた方が得、ということです。

つまりは、たくさん減税を受けようと思ったら、残高を減らさないことが大切なんです。だから、少なくとも住宅ローン減税を受ける10年間については、繰上げ返済しない方が得策なんです。

最大500万円お得に!知っておきたい住宅ローン減税の基本〜裏技まで 住宅ローン減税って、そもそもどんな制度? 住宅ローン減税をうけるにはどんな条件があるの? 最新の制度はどう変わる? ...

ちなみに、このケースに該当しない方もいます。

  • 金利を1%以上で借りている方
  • ローン残高の1%よりも低い税金しか払っていない方

この方々は、繰上げ返済した方が得になるケースがありますのでご注意を。

 

では、住宅ローン減税の期間が終わったら、必ず繰上げ返済した方が良いのでしょうか?

実は必ずしもそうとは言えません。その理由を次にみていきましょう。

団体信用生命保険の存在

繰上げ返済を考えるにあたって、団体信用生命保険の存在は考慮しなくてはいけません。

団体信用生命保険とは、ローンの借入者が亡くなった時にそのローンをゼロにしてくれるという生命保険で、ほぼ全ての住宅ローンでセットになっているものです。

実は、住宅ローンって本当にすごくて、場合により1%以下なんていう超低金利で何千万という多額のお金を貸してくれて、しかも保険までついてくるっていう、スペシャルなローンなんです。こんなローンは住宅ローン以外にあり得ません。

で、例えば、45歳の方が3000万円・金利0.5%・35年返済で住宅ローンを借りた場合、繰上げ返済をしなければ総返済額は3270万円。

35年間で利息270万円を支払っていますから、これを月々に換算すると約6400円の負担になります。要は、6400円で最大3000万円分の保険に入っているようなものです。(銀行への利息は支払っていますし、ローンは年々減っていきますから厳密には違いますが)

一方、45歳の方が80歳までの(=35年間)3000万円の死亡保険に加入したとすると月々の保険料は約14000円ほど。(ライフネット生命の「無料で10秒見積もり」より)

計算の仕方によってそれぞれの額はもちろん変わりますが、これくらい、団体信用生命保険っていうのはお得なものなんです。

だから、繰上げ返済できるだけの現金が手元に貯まったとしても、それは繰上げ返済に使わずにおくことも考えましょう。繰上げ返済しちゃったら、万が一の際に団体信用生命保険でチャラにしてくれる額が減ってしまいます。

つまりは、3000万円のローンがある方が500万円の現金を使わずにそのまま亡くなった場合、3000万円のローンはゼロになり、500万円の現金も家族に残せます

でも、3000万円のローンを500万円繰上げ返済して2500万円のローンに減らしたら、亡くなった際には2500万円のローンがゼロに、でも現金は残らない、ということになります。

だから、残された家族のことを思うなら、繰上げ返済はしない方が良いこともありますよ。

長期投資に回す

これは賛否分かれるところですが、繰上げ返済するくらいなら投資に回した方がよほど得、という考え方もあります。

投資というものが嫌いな方もいらっしゃるでしょうが、一発勝負ででかい利益を!なんて考えなければ比較的安全に資産を増やすことができるものです。

私は投資の専門ではないので詳細は割愛しますが、長期投資平均的な利回りは、3〜5%ほどでしょうか。金利が1%以下だと考えると、かなりの確率で、繰上げ返済よりも投資の方が得になる可能性が高いことが分かります。

住宅ローンの繰上げ返済 まとめ

このように、

  • 住宅ローン減税の恩恵を受けて
  • 団体信用生命保険の恩恵を受けて
  • 比較的安全な投資で資産を増やす

という方には、繰上げ返済をしない方が得とうことが多いです。

だた、損得ではなく「ローンはとにかく早くゼロにしたい」という方もいらっしゃるでしょう。その際には、少しでも効率よく繰上げ返済するために

  • できるだけ早いタイミングで
  • 期間短縮型で

繰上げ返済を行いましょう。

皆様の返済計画が少しでも良いものとなりますよう、心を込めて・・・